尾高忠明とともに情熱と円熟を深める、大阪フィルハーモニー交響楽団
大阪に新たな住まいをもち、大阪フィルに歩み寄って良好な関係を築いている音楽監督の尾高忠明。若いメンバーも増え、福島章恭氏率いる大阪フィル合唱団とともに、関西のクラシック音楽シーンを盛り上げている。歴史と情熱を併せもつ大フィルの魅力に迫る!
シェフにきく「あなたのオーケストラは何色?」~音楽監督 尾高忠明
Q. あなたのオーケストラはいま何色ですか?
赤橙色。
Q. その色を選んだ理由を教えてください。
すごく燃えるオケなんですよね。いつも熱を僕は感じています。
歴史があるオーケストラなので、オーケストラの中がいい意味で紅葉が始まっている、いい意味で枯れた良さを感じる。でも、ただ枯れてるだけではなくて、そこに熱、パッションがあるオーケストラなので、ちょっと赤めにしました。
ナビゲーターからの推薦状「大フィルの魅力」
山田治生(音楽評論家)
骨太のスケールの大きな音楽で聴衆を魅了した朝比奈隆によって創設された大阪フィルは、大阪でもっとも歴史あるプロ・オーケストラであり、地元の人々には「大フィル」の愛称で親しまれている。
大フィルの一番の魅力は楽団員全員の全力投球の演奏に違いない。定期演奏会の会場である2700席のフェスティバルホールを満たすパワーを有し、小学生相手の公演でも真摯な演奏を繰り広げる。朝比奈隆→大植英次→井上道義という個性派シェフの系譜。優れた指揮テクニックで緻密かつ情熱的な音楽を作り上げる尾高忠明が加わり、大フィルは新たなステージに進んだ。
ナビゲーターからの推薦状「はじめの一歩にオススメの公演」
奥田佳道(音楽評論家)
「第528回定期演奏会」
フランス音楽解釈の第一人者、シャルル・デュトワが5月、大阪フィル定期に登場し、思わずほほ緩むフレンチ・プログラムに腕を揮う。音彩きらめく人気曲が惜しげもなく並んだ。
音楽監督の尾高忠明に導かれ、新時代を奏で始めた大阪フィルは、素敵なコーラスを擁している。福島章恭が指揮・指導する大阪フィル合唱団で、前首席指揮者・井上道義の信頼も篤かった。客演したチェコの名指揮者エリシュカも賛辞を惜しまなかった。
近代フランス音楽の精髄たるラヴェルの《ダフニスとクロエ》第2組曲に登場だ。この組曲、オーケストラだけで演奏されるケースが多く、そのフォーマットでも十分素晴らしいのだが、オリジナルのバレエではヴォカリーズ(歌詞のないコーラス)が存在感を示す。それをあらためて教えてくれる演奏になるのでは。
響きの綾や舞いに「こだわる」デュトワの颯爽としたタクトが目に浮かぶ。幻想交響曲の前にもメインディッシュがある──そんな定期だ。
日時 2019年5月23日(木)24日(金)/19:00開演(18:00開場)
会場 フェスティバルホール
出演
指揮:シャルル・デュトワ
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
曲目
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」 作品9
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14
料金(全席指定・税込)
A席:6,000円(4,800円)/B席:5,000円(4,000円)/C席:4,000円(3,200円)/学生席(3階席):1,000円(割引なし)/BOX席:7,000円(6,000円)
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
※連続券の販売は大阪フィル・チケットセンターのみの取扱いとなります。
※( )内の料金は大阪フィル・会員価格です。
公式ページはこちら
大フィルにきく! ファンと出会える場は?
Q. 社会貢献やアウトリーチなどの活動には、どのようなものがありますか?
1. 楽団員がプロデュースする「大阪クラシック」
大植英次音楽監督(現・桂冠指揮者)が2006年に始めた大阪の初秋を彩るイベント。楽団員それぞれがプロデュースした室内楽コンサートを1週間にわたり市内中心部で繰り広げる。公演時間は各30~45分程度で気軽に足を運べる。
2. 0歳児からの「親子のためのオーケストラ体験教室」
毎年夏に行なっている0歳児も入場可能なコンサート。今年で20年目を迎える長寿企画です。会場は客席数310席の大阪フィルハーモニー会館。どの席からもオーケストラをばっちり見ることができ、最後列のお子さんも退屈しません。
3. 八尾市の各地で楽団員と会える!
大阪府八尾市とは2010年に地域拠点契約を結び、年1回のオーケストラ演奏会に加え、楽団員による中学校訪問授業、吹奏楽クリニック、市立病院でのコンサート等、定期的に同市を訪れ音楽の楽しさを届けています。
Q. はじめて大フィルの公演を聴くとしたら、どれがオススメ?
オーケストラに興味を持ち、知識を深めたい方におススメなのが「定期演奏会」。古典から現代曲まで幅広くそろっていますので、まずは先入観なしに聴いてみて下さい。
特に、オーケストラの方向性を決める役割を担う音楽監督・尾高忠明の出演回ははずせません。いずれも大阪フィルのもっとも得意とする後期ロマン派のドイツ、オーストリア作品を演奏します。
もうひとつおすすめなのが「ソワレ・シンフォニー」シリーズ。定期演奏会よりもお手頃価格で有名作品を楽しめます!
日時 2019年4月12日(金)19:00開演/13日(土)15:00開演
会場 フェスティバルホール
料金(全席指定・税込)
A席:6,000円(4,800円)/B席:5,000円(4,000円)/C席:4,000円(3,200円)/学生席(3階席):1,000円(割引なし)/BOX席:7,000円(6,000円)
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます
※連続券の販売は大阪フィル・チケットセンターのみの取扱いとなります
※( )内の料金は大阪フィル・会員価格です
出演
指揮:尾高忠明
曲目
藤倉 大:レア・グラヴィティ
マーラー:交響曲 第9番 ニ長調
公式ページはこちら
日時 2019年5月28日(火)19:00開演
会場 ザ・シンフォニーホール
料金(全席指定・税込)
A席:5,000円(4,500円)/B席:3,000円(2,700円)
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます
※( )内の料金は大阪フィル・会員価格です
出演
指揮:角田鋼亮
ピアノ:田部京子
曲目
ロッシーニ:歌劇《チェネレントラ》序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
ベートーヴェン:交響曲第7番
問い合わせ
大阪フィル・チケットセンター Tel.06-6656-4890
1947年朝比奈隆を中心に「関西交響楽団」という名称で創立、1960年、改称。創立から2001年までの55年間朝比奈隆が音楽総監督・常任指揮者を務め、大阪フィルは個性と魅力溢れるオーケストラとして親しまれてきた。大植英次音楽監督時代には、「星空コンサート」「大阪クラシック」といった大型プロジェクトで注目を集めた。2014年~2016シーズンは井上道義を首席指揮者に迎え、「ショスタコーヴィチ/交響曲第4番」、「交響曲第7番」「交響曲第11番と相次いでリリース、高い評価を得た。2018年4月より新たに尾高忠明が音楽監督に就任する。現在、フェスティバルホール(大阪・中之島)を中心に全国各地で演奏活動を展開。平成29年度文化庁芸術祭・優秀賞、2017年度関西音楽クリティック・クラブ賞本賞、大阪文化祭賞受賞。2018年11月新たに尾高忠明指揮「ブルックナー/交響曲第8番」をフォンテックよりリリース。
他のオーケストラを見る
関連する記事
-
創立44年 日本で一番歴史のある日本ピアノ調律・音楽学院は国家検定資格取得の最短...
-
3月11日、ミューザ川崎が10回目の復興支援チャリティ・コンサートを開催
-
「第18回難民映画祭」で指揮者グスターボ・ドゥダメルのドキュメンタリーが日本初上...
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly