読みもの
2020.04.04
井内美香の「カプリッチョな音楽手帖」 vol.2

「ノルマ風パスタ」偉大なオペラの名前を冠したシチリア料理

井内美香
井内美香 音楽ライター/オペラ・キュレーター

学習院大学哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士前期課程修了。ミラノ国立大学で音楽学を学ぶ。ミラノ在住のフリーランスとして20年以上の間、オペラに関する執筆、通訳、来...

料理・写真協力 gigino wine&grill(ジジーノ)

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この時期、家に籠もって生活している方も多いと思います。そんなときの楽しみは食べること! でも時間がかかったり、作るのが難しかったり、食材が高すぎたりしないで、誰でも美味しく食べられるレシピはないかしら? そう思う方に、今日はイタリアの有名なパスタ料理をご紹介します。

その名も〈Pasta alla Norma ノルマ風パスタ〉! そう、ベルカント・オペラの大作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニの傑作オペラ《ノルマ》の名を冠したパスタ料理です。

ベッリーニ作曲オペラ《ノルマ》より「清らかな女神」

ベッリーニ(1801-1835)はシチリア島カターニャの出身です。エトナ火山を背景にした18世紀のバロック建築が有名な街カターニャは、ベッリーニのオペラそのものの高貴さと、内に秘めた熱を感じさせます。

この料理が〈ノルマ風〉という名前になったのは、20世紀前半に活躍したカターニャ出身の劇作家ニーノ・マルトーリオという人が、この料理を食べて(もちろんシチリア方言で)、「こりゃあ、本物のノルマだ!」と叫んだことから来ているそうです。

春から夏にかけてどんどん美味しくなるナスとトマトを主役にしたパスタを食べながら、ベッリーニの《ノルマ》を聴くと、シチリアの風景が目に浮かんでくるかもしれません。

ご家庭でも再現可能なレシピ大公開!

ノルマ風パスタ、シチリアのオリジナル・レシピだと、日本だと手に入りにくい材料もちらほら。そこで、ご家庭でも作りやすいようにアレンジしたレシピを、実際に料理していただいたgiginoの右田拓矢さんに教えていただきました。

右田シェフの、おいしくなるポイント解説もありますのでトライしてみて!

分量(4人分)

リガトーニ340グラム
ナス2本
トマトホール缶400グラム
リコッタチーズ150グラム(シチリアでは熟成させた羊のリコッタチーズを使用)
にんにく2個
バジリコ3枚
オリーブオイル30グラム(トマトソース用)
レシピ

①ナスは短冊切りにして、塩をふり30分置いておく。キッチンペーパーで水分を拭き取ったら、180度の油で少し色づくまで揚げる。キッチンペーパーで油をよく拭き取る。

ナスはできるだけカリッと、少し色づくまで揚げたほうが甘みが強くでて美味しい!

 

②にんにくは包丁の背でつぶし、フライパンにオリーブオイルを入れて、にんにくを入れて、全体的に色づき香りが出るまで火を入れる。にんにくを取り出し、トマト缶を手で潰して入れる。少量の水と砂糖をひとつまみ入れて10分間弱火で煮込む。途中煮詰まりすぎたら、少量の水を加える。

今のトマト缶はどんなものでも美味しくできているので、酸味だけある程度とばしてあげればOK! 砂糖をひとつまみ入れることで時短で酸味を飛ばせます。煮込むときに、バジリコの葉を少量ちぎって入れると香りがでてより美味しい。

 

③パスタを茹でるお湯は1リットルに対して10グラムの塩を入れておく。パスタを目安時間通りに茹でる。

 

④茹であがりのパスタを、トマトソースのフライパンに入れて、ソースと馴染ませる。味をみて、塩で調整する。

 

⑤お皿に移して、揚げた茄子、リコッタチーズ、バジリコを飾る。

使うパスタはペンネやフジッリでもOK! チーズは今回、フレッシュタイプのリコッタチーズを使いましたが、パルミジャーノ・レッジャーノやモッツァレラチーズもおすすめです。

料理・写真協力 gigino wine&grill(ジジーノ)
ご協力いただいたお店はこちら
gigino wine&grill(ジジーノ)

住所  宇都宮市伝馬町3-4

問い合わせ 028-678-2479

公式instragramはこちら

営業時間
17:30~23:00 (LO 22:30)
ランチタイム
11:30~14:30 (LO 14:00)
ランチ営業は火・水・木曜日

井内美香
井内美香 音楽ライター/オペラ・キュレーター

学習院大学哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士前期課程修了。ミラノ国立大学で音楽学を学ぶ。ミラノ在住のフリーランスとして20年以上の間、オペラに関する執筆、通訳、来...

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