インタビュー
2020.05.08
5月の特集「ファッション」シャネルにきく

マドモアゼル・シャネルの精神と若手音楽家を育てるピグマリオン・デイズの取り組み

シャネル・ネクサス・ホールで毎年開催される、若手音楽家による「シャネル・ピグマリオン・デイズ」。日本独自のこの取り組みについて、参加アーティストのインタビューを担当してきた小田島久恵さんがナビゲート! さらに、シャネルにもブランドと音楽の関わりについてメールインタビューをしました。

小田島久恵
小田島久恵 音楽ライター

岩手県出身。地元の大学で美術を学び、23歳で上京。雑誌『ロッキング・オン』で2年間編集をつとめたあとフリーに。ロック、ポップス、演劇、映画、ミュージカル、ダンス、バレ...

写真提供:シャネル・ネクサス・ホール

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若手音楽家を支援したマドモアゼル・シャネルのDNA

ハイブランドが軒を連ねる銀座の華やかな街並みの中でも、カルティエ、ブルガリ、シャネル、ルイ・ヴィトンが四つ角に旗艦店を構える銀座1丁目の交差点は、格別にノーブルな雰囲気が漂う。シャネル・ネクサス・ホールは、現在のシャネル銀座ビルディングが建設されたとき、日本のCEO(当時)のリシャール・コラス氏が「文化的なイベントのためのスペースを作ろう」と発案して設計されたもの。

2004年12月にビルのオープンとともに「シャネル・ピグマリオン・デイズ」の活動がスタートし、多くのクラシックの若手アーティストのデビューの場となってきた。

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これから本格的にプロとして活動する彼らが、1年に5回から6回のリサイタルをここで行なうことで、審美眼の高い聴衆にもまれて成長していくのである。世界中のシャネルの中でも、銀座ビルのような活動をしている場所は他になく、その意味でも唯一無二である。

毎年12月に開催されるガラコンサートにて。参加アーティスト全員が演奏し、翌年の5名の参加者もここでお披露目される。
中央は日本法人のCEO(当時)のリシャール・コラス氏。
©T. Tairadate
ピグマリオンとは?

“シャネルはピグマリオン。人の才能を引き出すのが上手。”

これはシャネルと親しくしていた心理学者、クロード・ドレイの言葉です。

 

ピグマリオンとは、ギリシャ神話に登場する彫刻の名人です。自分が掘った美女の像に恋し、その思いの大きさから、ついには神からその像に命が与えられたことが転じて、才能を信じ、応援・支援して、開花させる人のことを意味します。

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