イベント
2026.06.18
音楽祭に出かけよう!2026

2026北九州国際音楽祭~音が次代をヒラク!旬の演奏家が“ここだけ”のコラボレーション

北九州で毎年秋に開催される「北九州国際音楽祭」は、国内外の旬のアーティストによるオリジナル企画と、音楽が人やまちに活力を与える多様なプログラムが大きな魅力だ。「その先へ―音が次代をヒラクとき」がキャッチコピーの今年は、どのような音楽との出会いが待っているのだろう? 注目公演と聴きどころをご紹介しよう。

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

1988年に北九州市制25周年を記念して創設された北九州国際音楽祭。「音楽の力を通じて、人とまちと世界をつなぎ育てる」というコンセプトのもと、国内外で活躍中の旬のアーティストを招聘し、この音楽祭でしか聴けないオリジナルな企画が大きな魅力だ。

今年は「その先ヘ――音が次代をヒラクとき」をキャッチコピーに、服部百音、毛利文香、上野通明、山下愛陽、牛田智大、佐藤晴真、戸澤采紀など、世界で活躍する若手演奏家を迎えて開催される。

旬のアーティストの室内楽、音楽祭の名物オーケストラ……“ここでしか聴けない”音楽との出会い

まず注目されるのは、2023年にも当音楽祭でリサイタルを行なったピアニストのアレクサンダー・ガジェヴが、毛利文香、上野通明とともに行なう公演(10/3)。

ガジェヴが室内楽を本格的に取り上げること自体が極めて稀である上に、同年代で世界的に活躍する日本人演奏家2名と特別編成のトリオを組むという、北九州ならではの企画だ。室内楽と相性抜群の響ホールの音響空間で、まさに“ここでしか聴けない”音楽が生まれることだろう。

©Vitoria Nazarova
アレクサンダー・ガジェヴ (ピアノ)

イタリアのゴリツィア生まれ。浜松やモンテカルロ、シドニーのコンクールでの優勝を経て、2021年にはショパン国際ピアノ・コンクールで第2位となる。ルイージ指揮/RAI国立響、メータ指揮/フィレンツェ五月音楽祭管をはじめ、世界の著名な指揮者、オーケストラと共演。「ノヴァ・ゴリツァ/ゴリツィア欧州文化首都2025」の文化大使を務める。深い思索に裏打ちされた独創的な解釈と卓越した技巧で、世界の聴衆を魅了している
上)上野通明(チェロ) ©Seiji Okumiya
左)毛利文香(ヴァイオリン) ©Sihoo Kim

最終日は、今回で13回目を迎える「マイスター・アールト×ライジングスター オーケストラ」(11/21)。国内主要オーケストラのコンサートマスターや首席奏者に優秀な若手奏者が加わった編成で、当音楽祭の名物企画だ。指揮者は置かず、コンサートマスター篠崎史紀の下でメンバーの自発的なアプローチと、卓越したアンサンブルによる生き生きとした演奏が繰り広げられる。今回はブラームス「交響曲第2番」に挑むということで、豊かな抒情性と伸びやかな音楽が特徴の同曲をどのように描き出すのか、大いに注目される。

マイスター・アールト×ライジングスター オーケストラ(提供:2024北九州国際音楽祭)
©井村重人
篠崎史紀

北九州市出身。愛称"まろ"。3歳より両親の手ほどきを受け、1981年ウィーン市立音楽院に入学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビューを飾る。帰国後、群響、読響のコンサートマスターを経て、1997年N響のコンサートマスターに就任。以来“N響の顔”として国内外で活躍し、2025年3月惜しまれながらもその任を退く。
2020年度ミュージック・ペンクラブ音楽賞、北九州市民文化賞、福岡県文化賞、有馬賞を受賞。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。使用楽器は1727年製ストラディバリウス((株)ミュージック・プラザより貸与)。九州交響楽団ミュージック・アドバイザー、リーデンローズ音楽大使。(公財)北九州市芸術文化振興財団 理事

このほかにも、森谷真理(ソプラノ)、林 美智子(メゾソプラノ)、西村 悟(テノール)、加耒 徹(バリトン)、河原忠之(ピアノ)によるオペラ《椿姫》(抜粋)のコンサート形式公演(10/10)、戸澤采紀(ヴァイオリン)、近衞剛大(ヴィオラ)、佐藤晴真(チェロ)、牛田智大(ピアノ)によるR.シュトラウスのピアノ室内楽作品集(11/14)など、旬のアーティストの組み合わせによる魅力的なプログラムが並ぶ。

また、出光美術館(門司)との初の連携企画として、同館の新館開館10周年を記念した「水墨画の巨匠たち ―雪舟から鉄斎まで」展と、西山まりえによるチェンバロ演奏のコラボレーションが行なわれる(10/26)。響ホール所蔵のチェンバロを使用し、歴史的美術作品と古楽器の音色が交差する、特別なひととき……当日は展覧会のレクチャーもあり、音楽のみならず美術への視界も広げてくれる。

出光美術館(門司)は、出光コレクションを展示する美術館として2000年に開館。その後改築を経て、2016年にはモダンながらノスタルジックな面持ちもそなえたレンガ調の外観へと生まれ変わった
西山まりえ(チェンバロ) ©Naoya Yamaguchi

クラシック初心者から通まで、子供から大人まで、誰もが楽しめる多様なプログラム

北九州国際音楽祭は、質の高い公演に加え、文化芸術の担い手を育成する「教育プログラム」、文化芸術に馴染みのなかった方々にも親しむきっかけをつくる「特別プログラム」にも力を入れている。

特別プログラムは、3歳以上が対象の「まるっとEnjoy! 響ホールで夏休み」(8/16)。事前申し込み制の無料公演で、篠崎史紀ほかによる演奏に加え、楽器の見学や演奏体験、「まろさんのヴァイオリンが上手くなるひみつ」で指導を受けた生徒たちが成果を発表するコーナーもある。より広い層に向けては、音楽祭を満喫するための「楽しみかた聴きどころ講座」(全4回)も用意されている。

教育プログラムでは、今年も音楽祭に出演する一流アーティストたちが、トークを交えて子どもたちに音楽を届ける鑑賞教室等が行なわれる。幼稚園や小学校、中学校でこれまでに延べ8万9千人の子どもたちが参加した。

また、今年は子ども食堂や学習支援等を運営する地域のNPO法人と連携し、クリスマスに子どもたちを響ホールへ招待するインリーチが行われる。出演は「奇跡のチェロ・アンサンブル」(12/26)で、国内外を飛び回る人気の若手チェリストたちが、まさに「奇跡」的に一堂に会する。

これまで以上に誰もが音楽に親しみ、身近に感じられる機会となる北九州国際音楽祭。人やまちを元気にする、音楽のパワーを全身で浴びに、この地でしか出会えない音楽を求めて、ぜひ訪れたい。

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ