
指弾きで繰りだす技と音色に注目! イタリア出身のギタリスト、マッテオ・マンクーゾ


埼玉県出身。DTPや自転車など専門誌の編集部を経て、音楽之友社に入社。2015〜2022年3月に編集部のWeb担当として、Webマガジン「ONTOMO」やオンラインシ...
渋谷でのスペシャル・セッションに登場!
イタリア・シチリア出身、1996年生まれのギタリスト、マッテオ・マンクーゾ(Matteo Mancuso)が来日すると聞き、いろいろと調べていたら、エレキギターでジャズやフュージョン、ロックを演奏している動画が出てきた。
特にジャズの演奏では、アコースティック楽器の音色が好きな人も惹かれそうな、心地よく、粒だちのよい爽やかな音色。そして、なめらかな指弾きのテクニックに目も耳も釘づけになる。
マッテオは「エレキギターを指で弾く、数少ないギタリスト」として、いま注目株なのだ。
エレキギターを操りながらも、どこか素朴な職人的な雰囲気を醸し出す彼に興味がわき、5月27日、スペシャル・セッションが開催される渋谷のおしゃれ音楽スポット「Yamaha Sound Crossing Shibuya」に出かけることにした。

そのテクニックと音色に釘付け!
そもそもマッテオが指弾きをするようになったのは、「10歳でギターをはじめたとき、エレキはピックで弾く、ということを知らなかったから」。
ギタリストである父親がクラシックギターを指で弾いているのを見て真似ていたのが始まりだ。自身はエレキギターに夢中だったそうだが、父親に勧められてパレルモ音楽院ではクラシックギターを学び、首席で卒業している。一躍その名が知られるようになったのは、ジャコ・パストリアスのバージョンで知られる「The Chicken」のカバー演奏動画が拡散されたことがきっかけだ。
イベントでその音色の秘密について質問されると、「クラシックギターやアコースティックギターの場合、自分で音量を出す必要がありますが、エレキギターではソフトに弾けて、私にとっては快適によい音を出せます。ピックアップが音量を助けてくれるので、強く弾く必要はないのです。クリーンな音はディストーション(歪み)の設定ではなく、エレキギター本来の音質です」と、その音楽経験ゆえのコメント。

フィンガースタイルについては、指の腹だけでなく爪を使って弾いているとのこと。親指は自分の爪のままだが、人差し指・中指・薬指の3本の指の爪にはジェルを塗り、サンドペーパーで滑らかに整えているそうだ。スチール弦で爪が傷むということもあるが、強いアタックが欲しいときに人工爪は必要。アクリルの爪のほうが持ちはよいが、ジェルは音が優れていて、何も付けていないように自然な感覚で弾けるから最善の選択肢だと語った。
また、クラシックギターやフラメンコギターのテクニックも用いて弾いてるのでは? という質問には、「右手が移動するたびに親指も一緒についていく方式が、普通のクラシックのフィンガー奏法ではあるけれど、自分がエレクトリックを弾くときには親指は第6弦に触ったままのほうが弾きやすい」と答え、実演して見せた。
指弾きの技を公開!
その音楽性は幅広い。数多のギタリストに影響を受けただけではなく、「即興のアイデアを考えるときには、ギターで弾きやすい範囲(コンフォートゾーン)を飛び出して、ピアノやサクソフォンなど、他の楽器で演奏されているメロディラインをコピーすることが役に立つ」と言う。
表現の可能性を広げるために、オスカー・ピーターソンやチャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンらの演奏も聴いて、そのメロディをギターで演奏することを試みているらしい。このような研究は、オーケストラや吹奏楽の合奏時に、音色を寄せてブレンドさせるため、発音や音色を考えることと似ているかもしれない。こうすることにより、結果的に楽器の意外な側面をも引き出せるのだと思う。
こうしたマッテオの表現力の追求を支えているのは、ヤマハのエレキギター「REVSTAR(レブスター)」。「ジャズを弾くときのクリーンなサウンドと、ロックのディストーションのサウンド、両方に使いやすいギター」とメインに愛用している。さらにライブのときには、ヤマハの「Pacifica(パシフィカ)」というモデルも用意し、曲に合わせて選んでいるそう。
今回の来日では、新譜『ルート96』を携えてビルボードライブ大阪、東京を沸かせたマッテオ・マンクーゾ。ジャズのギタリストというとジョー・パスやウェス・モンゴメリーといった往年の名手からアップデートできていなかった筆者も、この新世代のギタリストの音楽的な広がりを楽しみに追いかけてみたい。
マッテオ・マンクーゾの2ndソロアルバム『ルート96』
ヤマハの「Pacifica(パシフィカ)」で速弾き!

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