2025.05.04
名曲解説100
30秒でわかるショパン:バラード第4番
ショパン:バラード第4番について30秒で丸わかり♪
フレデリク・ショパン(1810〜49)は、バラードと題したピアノ曲を4曲残しました。本来バラードは物語詩の形式で、18世紀終りから19世紀前期にかけてのドイツでは、そうした詩に曲を付けた歌曲もバラードと呼ばれるようになりました。ショパンのバラードは、いわばそれをピアノ曲に応用したもので、自由な形式のうちに物語風の劇的な展開が繰り広げられる楽曲となっており、4曲それぞれまったく異なる性格を示しながらも、各曲ともに彼自身の心情や民族精神が表現されています。
そのうちの第4番は4曲のバラードの中でもっとも内省的な作品となっており、幻想的な趣の中に深い情感が表現された傑作です。これが書かれた頃のショパンは少年時代の恩師や親友の死が重なって精神的に落ち込むことが多く、この曲にはそうした当時の彼の内面が反映されているのかもしれません。
短い序奏に続いて示される瞑想的な第1主題と祈るような第2主題をもとにソナタ形式風に展開しますが、その後幻想曲風の付加部分が置かれ、これは大きな高揚を見せます。やがて和音のエピソードが一瞬の静けさをもたらしますが、最後は悲劇的なコーダのうちに激しく締めくくられます。
ショパン:バラード第4番 ヘ短調 作品52
作曲年: 1842年
演奏時間: 約11分
編成: ピアノ
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