読みもの
2026.06.17
池辺晋一郎作曲『CELEBRATION for Suntory Hall』

サントリーホールの隠れた名物「パイプオルゴール」~本格派が奏でる40周年の“新曲”

サントリーホールの開館以来、コンサートの開場時間になると鳴り響く「パイプオルゴール」。開演時間を目指して来場する方には意外と知られていない、ホールの隠れた名物とも言えます。開館40周年の今年、6月から池辺晋一郎氏に委嘱した新曲が登場するということで、このパイプオルゴールに込められたホールの思いや音楽的なこだわりについてご紹介します。

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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小さくても本格派 

サントリーホールでコンサートがある日、開場時間になると正面玄関の上部にある扉がスーッと開き、中からオルゴールが現れることをご存知でしょうか。

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このオルゴール、実は世界でも珍しい特注品で、正式名称は「パイプオルゴール」。つまり、ミニミニ型のパイプオルガンなのです。大ホールに設置されているオルガンと同じく、オーストリアのリーガー社製のパイプが37本も使われている本格派。

音が出る仕組みもオルガンと同じ。電気信号でバルブ(弁)を制御し、送風機でチャンバー(空気溜り)に溜められた空気をパイプに送り込むことで音が出ます。電子音源ではなく、パイプから生音を出すことも、サントリーホールの音楽的なこだわりといえます。

パイプはオルガンの水平管*に相当するものが使われているので、トランペットのように華やかな音。しかも、隣接する森ビルの高層階にまで届くほどの迫力があります。開演前の他に正午にも演奏され、近隣の住民やオフィスワーカーには時報として親しまれているのだとか。

*水平管:オルガン本体の前面から客席に向かって、床と平行に突き出すように配置されたパイプのこと

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