《イエスが生きていることを知る心は》BWV134——復活節3日目

おはようございます。今日は復活節の3日目。本日ご紹介する《イエスが生きていることを知る心は》は、昨日お届けしたカンタータの翌日（1724年4月11日）に初演された曲ですが、今日では1731年3月27日の再演に際して、新たに作曲された3つのレチタティーヴォを用いた版が使われています。

朗読された福音書は、復活祭2日目の続き「ルカによる福音書」第24章36から37節。イエス復活の話をしていた弟子たちの前に、イエスが本当に現れたという箇所です。

実はこの曲も、1719年の新年に初演されたバッハの世俗カンタータBWV134aのパロディ。昨日の66番と同様に対話風です。

編成はアルトとテノール、合唱、オーボエ2、弦楽と通奏低音。冒頭の合唱もなく、テノールとアルトのレチタティーヴォとアリアが交互に置かれ、最後にコラールで締め括られる簡潔な構成です。

まず、テノールが「イエスが生きていることを知る心は、イエスの新たな善を見出し、ひたすら救い主への讃美を謳う」というと　アルトも「信じる者にとってなんて喜ばしいことでしょう」と同意し、テノールが、「信じる者よ、愛すべき歌を歌え、すばらしい新鮮な光が輝いている。生きておられる主が、幸いなるときを与えてくださる。さあ、魂よ、捧げものを用意し、至高の主に感謝するがよい」と歌います。躍動感に満ちたアリアです。

ここで再びテノールとアルトのレチタティーヴォ。テノールが「幸多かれ、神はお前のことを思ってくださる。神に聖別されたお方よ、救い主は生きて、御力をもって勝利される。お前の救いとご自身の栄光のために。サタンは怖れのあまり震え、冥府の国さえ揺り動かす。主はお前のために死に、冥府に降りる。尊い血が流されるのは、おまえが勝利するため。たとえ闘いが魂に迫ろうとも、お前は決して負けない」。アルト「愛の御力が私の旗印、勇者の力、闘いの力。私の勝利の冠のために、あなたは茨の冠を取られた。復活された救い主よ、今やどんな敵も私を傷つけない」。テノール「敵の数は多いけれども」、アルト「神は、神に忠実な魂を守ってくださる」、テノール「最後の敵は墓と死」、アルト「それをも神は滅ぼして、私たちの苦難を終わらせる」。

そして二人でアリアを歌います、「私たちはあなたの篤い愛に感謝します。讃美します、あなたに唇の捧げものを捧げます。勝利の主は喜びの歌を湧き起らせる、主は現われ、再び私たちを慰め、戦う教会を強化される」。

もう一度テノールとアルトのレチタティーヴォ。テノール「けれども、私たちの口はあまりにも世俗にまみれているので、主が御自ら感謝の言葉を私たちの口から語らせてください。いつの日も人の心があなたとあなたの御業を忘れないように。私たちの気力、あらゆる心の慰めと喜びが、あなたに頼る者にとって完全で永遠なものとなりますように。あなたの手が私たちを囲み、その力強い御働きを見せてください。あなたの死と勝利が私たちのために勝ち取ったものを。あなたが蘇った今、人の死は一時のことに過ぎず、あなたの栄光へと入っていくことを」。アルト「私たちは心からあなたを崇めます。大いなる神よ、そしてあなたの慈しみと誠実さを讃美します。あなたの蘇りや大いなる勝利は私たちを敵から解放し、命を与える。だからこそ、あなたに讃美と感謝がありますように」。

最後は舞曲風の合唱曲です。「響け、天よ、喜べ、大地よ、いと高き者に讃美を歌え、信じる者の群れよ、心は見て味わう。生きている主の無限の善を、主は慰め、勝利者として現れる」。