東京佼成ウインドオーケストラが新シーズンラインナップと「新指揮者等体制」を発表

日本を代表する吹奏楽団、東京佼成ウインドオーケストラ（以下、TKWO）が、2024-25のシーズンコンサートスケジュール、大井剛史の常任指揮者就任、作曲家・中橋愛生（なかはし・よしお）の楽芸員就任を発表した。

指揮者・大井剛史は、2014年以来同団の現・正指揮者のポストにあり、「さまざまな経験を積んで、70歳になったらTKWOの常任指揮者として戻ってくるために、一旦団をを離れることを決意していた」というが、理事長・勝川の「大井さんでなければ、ほかに誰もいない」という言葉もあり、今回の予想より早い常任指揮者就任を決めたという。同団が常任指揮者を置くのは18年ぶりのことだ。

常任指揮者就任にあたって、今後5年間の方針に、大井自身が考えたという「つくる。つつむ。つなぐ。」 を掲げる。「音を創り、音で包み、音を繋ぐ」ことで楽団、ひいては吹奏楽界全体の発展に寄与すべく、新たに以下の活動に取り組むという。

新たなポスト「“楽”芸員」に就任したのは、作曲家・中橋愛生。博物館・美術館の学芸員のように、資料の収集・調査研究を吹奏楽の分野で行なうとともに、演奏会のプログラム執筆、そして事前のトークイベントと大井とともに聴きどころや深い部分を観客にシェアしていくという。第1回は、2024年3月25日「TKWO吹奏楽カフェ（仮称）」として、新大久保のミュージック・スクール「ダ・カーポ」地下イベントスペースで開催予定。

2022年の法人化に際し、回数が減っていた定期公演は、2024年4月から年4回となる。常任指揮者就任記念演奏会を含め大井のこだわりが詰まった3プログラムのほか、横山奏は「自然、神、地球」をテーマにしたプログラム、首席客演指揮者の飯森範親はオール《ジョン・マッキー》プログラムで登場。コンサートマスター林田が「ずっと演奏してみたかった」と語るマッキーのソプラノ・サックスのための協奏曲、目標額を大きく上回るクラウドファンディングが話題となった「New Sounds in BRASS コンサート」も注目だ。

定期会員券も2021-22シーズンぶりに復活し、2024-25シーズン定期演奏会全4回を、同じ席で、お得に聴くことができる。新体制となり、新たな挑戦を続けるTKWOから目が離せない。