読みもの
2022.11.17
1万円で始めるオーディオ道 #5

CDラジカセで手軽に録音 どこにも売っていないオリジナル・カセットを作ってみよう

カセットテープは手軽に録音ができて、好きな曲を詰め込んだ自分だけのオリジナル・カセットを作ることができるのが魅力。今で言うプレイリストを作る感覚に近いと思います。今回は、CDラジカセを使ってCDからカセットテープに録音する方法を、知っておくと便利なコツとともにご紹介します

澤村 信
澤村 信

中高校生の時にオーディオブームの洗礼を受け、それが高じて2000年以前の国産オーディオを中心に取り上げるオーディオ雑誌『ステレオ時代』の編集長に。お金をあまり使わない...

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カセットテープの魅力のひとつは手軽に録音できること

前回、カセットテープやカセットが使える機器をご紹介しました。

かつて、カセットテープがなぜみんなに使われたのかというと、手軽に録音ができたから、と言い切って良いでしょう。自分の使い方にあわせて最適なカセットが作れるというのは、それまで人類が持っていなかったメディアだったのです。

たとえば通学や通勤に時間がかかる人は、長時間録音ができるカセット(120~150分の録音ができるカセットもありました)に、好きな曲を詰め込んだ「マイフェイバリット・カセット」を簡単に作ることができました。あるいは彼氏彼女とのドライブ・デートのために、相手の好きな曲を集めたオリジナル・カセットを作ってドライブで一緒に聴く、というのもよくあるシチュエーションだったのです。今で言うプレイリストを作る感覚に近いと思います。

そこで今回はカセットテープに実際に録音して、オリジナルのミュージック・カセットを作ってみましょう。テーマは何でも良いのですが、時節柄クリスマス・ソングを集めたカセットはいかがでしょうか。

音源に合わせた機器を用意しよう

オリジナルのカセットテープは自分で録音して作ります。そのため録音ソース(音源)を用意しなくてはいけません。

 

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例えばCDやレコード、あるいはFMラジオや、すでに録音されているカセットテープなどが主なソースになります。Bluetooth対応のラジカセなどで録音するなら、スマホやPCのストリーミングサービスから録音する、というのもありですね。

今回は、かつてメジャーだったCDからの録音に挑戦してみましょう。CDから録音する場合、本格的なCDプレーヤーとカセットデッキを使うよりも、CDラジカセを使うのが圧倒的に便利です。面倒な調整が不要で、録音タイミング(後で詳しくご説明します)を合わせる必要がない機器も多いのです。

しかも昨今のラジカセ・ブームで70年代、80年代の中古ラジカセが値上がりしているのに対し、90年代後半以降のCDラジカセは意外と人気がありません。今回例として用いたソニーのCFD-S01は、15、6年前に新品で買ったものですが、今ではヤフオク!などで1000~3000円程度で取引されています。けっこう良い音がするんですけどね……。

使うカセットテープは、前回ご紹介した4種類のテープのうち、「ノーマル」というカセットを使いましょう。ハイポジションやメタルは使えない機器も多いですし、現在生産されていないので、古いものが高値で取引されているだけです。

ノーマルテープであれば、家電量販店などでも手に入りますし、お店によっては100均でも売っていることがあります。

録音のコツはタイミングを合わせること

録音ソースをカセットに録音するには、録音したいカセットをセットして、録音ボタンを押し、録音ソース(今回はCD)を再生します。ただし、このタイミングは自分で合わせなくてはいけません。

カセットテープの構造は前回ご紹介したとおり、ふたつのリールと、一方のリールに巻き取られた磁気テープをケースに収めたものです。リールに巻き取られたテープが空のリールに巻き取られていくことで、磁気ヘッドの表面をテープが流れていき、音楽信号を記録したり読み取ったりしていきます。

今回使うCFD-S01のヘッド部分はこのようになっています。

ラジカセのヘッド部分は、ボタンを押してヘッドを動かすため、上にあることが多いです。デッキでは普通は下にメカがあるので、カセットテープのデザインも下にメカがあるほうが自然になっています。

ピンチローラー(ゴム製のローラー)とキャプスタン(金属の棒)でテープを挟んで、一定の回転スピードで引っ張って、テープを送っていきます。テープにはすでに別の信号が記録されている場合があるので、録音するにはまず消去ヘッドでテープに記録されている信号を消し、磁気(録再)ヘッドで信号を記録していきます。

再生時はⒶの消去ヘッドは引っ込んで、Ⓑの磁気(録再)ヘッドで信号を読み取っていきます。

しかしカセットのテープは始めの約5秒分は記録できない「リーダーテープ」というものがあるため、テープの録音できる部分(茶色い部分)がヘッドを通過しているときでないと、音楽信号は記録できません。つまりカセットを完全に巻き戻してからラジカセにセットして、録音ボタンを押してすぐにCDを再生してしまうと、曲の頭の部分が記録できません。

それを防ぐためには、録音ボタンを押して、5秒ほど待ってからCDを再生するか、リールを指で回してあらかじめリーターテープを巻き取っておいて、録音ボタンを押したらすぐに記録できるようにしておく、というちょっとしたテクニックが必要になります。

テープはラジカセに向かって右から左に流れます。あらかじめリールを巻いて、テープの記録可能な部分がちょっと見えるくらいにしておくと、録音ボタンを押してすぐに記録可能になるのです。

ただし比較的新しいCDラジカセは、自動的にCD再生のタイミングを合わせてくれる機能が付いているものも多いです。このCFD-S01は、CDが再生できるようにしておいて、カセットの録音ボタンを押すと、カセットの録音がスタートして約5秒後にCDの再生が始まるようになっています。

1曲ずつ録音していく面倒さを楽しむ

先にも書きましたが、再生されているものが録音されるので、カセットに好きな曲を集めていくには、「録音開始」→「カセットに記録したい1曲目のCDを再生」→曲が終わったら「録音停止」→CDを入れ替えてから「録音開始」→「カセットに記録したい2曲目のCDを再生」→「録音停止」→CDを入れ替えて→「録音」→「3曲目を再生」……と繰り返していきます。

またカセットテープにはA面B面があって、たとえば46分テープの場合、A面23分、B面23分の録音が可能です。4分程度の曲であればA面に5曲、B面に5曲の録音が可能、ということになります。CDからの録音なら1曲の分数が分かるので、あらかじめ「A面にはどの曲を録音したら23分で収まる」ということを計算しておくとよいです。でないとA面に収まりきらなかったり、逆にテープが余ったりします。

とても面倒な作業なのですが、計画どおりぴったり録音できると満足感が得られると思います。この面倒さ、不便さが楽しめるようになったら、カセットテープ趣味も上級者レベルですね。

ちなみに、ちょっとずるい方法ですが、PCを使える人ならiTunesなどでプレイリストを作ってディスクを作成。それを丸っとテープに録音すると分数がきっちり合ったテープが簡単に作れます。

組み合わせは自由自在、マイ・フェイバリット・カセットを作ろう

さて今回私はクリスマスの曲を集めてみました。A面にはJ-POP、B面にはスタンダードジャズのクリスマス・ソングを集めました。

A面は佐野元春「クリスマス・タイム・イン・ブルー」、サザンオールスターズ「シャ・ラ・ラ」、B’z「いつかのメリークリスマス」、山下達郎「クリスマス・イブ」、ユニコーン「雪が降る町」の5曲。B面はビル・エバンス「Santa Claus Is Coming to Town」、チェット・ベイカー「Stella By Starlight」、ナット・キング・コール「The Christmas Song」、フランク・シナトラ「Have Yourself a Merry Little Christmas」、ビング・クロスビー「White Christmas」の5曲を入れました。

企画もののCDなどではありえない組み合わせ。しかもA面とB面があることで、クリスマス・ソングという括りで、J-POPとジャズを1本にまとめても不自然じゃありません。ひとつのプレイリストだと「ユニコーンの次にビル・エバンス?」と感じてしまうかもしれません(もちろん個人の自由ですが……)。こんなことが自然にできるのもカセットならではです。

さてこのカセット、誰と聴きましょうか。

1曲ずつCDを入れ替えていきます。この面倒さもまたカセット作りの楽しみです。でもCDラジカセの場合は録音レベル調整が不要なので、これでも作業は楽なほうなんですよ。
このラジカセの場合、CDをセットしてカセットを録音状態にすると、自動的にリーダーテープの間隔を空けてCDの再生をスタートしてくれます。とても便利。
カセットが出来上がったら、ラベルにカセット名を書き込んでおきましょう。このマクセルURというカセットは本体に書き込めるスペースがあるので、直接記入します。
CDプレーヤーとカセットデッキを使うと、より良い音で録音できますが、CDごとに録音レベルの調整などが必要なので、上級者向きです。ちなみに下のデッキ(ローディD-707)は人気モデルなので1万5000円程度で取引されていますが、上のデッキ(パイオニアCT-5000)は古くて、それほど人気がないので3000~5000円くらいで入手できます。
澤村 信
澤村 信

中高校生の時にオーディオブームの洗礼を受け、それが高じて2000年以前の国産オーディオを中心に取り上げるオーディオ雑誌『ステレオ時代』の編集長に。お金をあまり使わない...

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