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2026.11.06
名曲解説100

30秒でわかるシューマン:幻想曲 ハ長調

シューマン:幻想曲 ハ長調について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ロベルト・シューマン(1810~56)のこのピアノ曲は、元々ボンのベートーヴェン記念碑建立基金のための作品として着手されました。愛するクララとの恋が、彼女の父の反対で暗礁に乗り上げていた時期のことで、シューマンはそうした愛の不安、情熱、憧憬の表現をこの作品に込めています。

そのことは、彼が楽譜冒頭にロマン派詩人シュレーゲルの詩の一節「色とりどりの大地の夢のうちに/すべての音を貫いて/一つの静かな音が/耳をそばだてる人に響いてくる」を掲げていることにも現れているといえるでしょう(“静かな音”はクララを指すと考えられます)。

第1楽章にしても、主調がハ長調であることは明確ながらも、冒頭からずっと主和音に解決するのを避けることで不安に揺れ動く情感を表出するような展開を続け、やっとコーダに入ってベートーヴェンの歌曲「遥かなる恋人に」の引用とともに主和音に落ち着くという運びでもって、遥かなる恋人=クララになかなか辿り着けない感情を表しているかのようです。気持ちを鼓舞するかのような行進曲風の第2楽章を挟んだ後、最後の緩やかな第3楽章では、静かで夢見るような響きのうちに愛の想いが綴られていきます。

シューマン:幻想曲 ハ長調

作曲年:1836~38年

演奏時間:約32分

編成:ピアノ

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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