読みもの
2020.04.19
音楽ファンのためのミュージカル教室 第8回

アンドルー・ロイド・ウェッバーが自宅から動画配信!ミュージカルの名曲を共に歌おう

世界的な新型コロナウイルスの流行を受けて、『オペラ座の怪人』『エビータ』等のミュージカルで知られるイギリスの作曲家、アンドルー・ロイド・ウェッバーが、自宅から自作品の演奏動画を配信しています。作曲家自身の伴奏で、お気に入りのナンバーに挑戦してみませんか?

ナビゲーター
山田治生
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山田治生 音楽評論家

1964年京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。1990年から音楽に関する執筆活動を行う。著書に、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人 -ある日本人指揮者の...

メイン画像:アンドルー・ロイド・ウェッバ―公式サイト「#ComposerInIsolation」のページ

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アンドルー・ロイド・ウェッバーのピアノ演奏と一緒にリモートで歌おう

新型コロナウイルスの感染防止のために世界中で「Stay at home(家にいよう)」が呼びかけられているが、自宅待機中のアンドルー・ロイド・ウェッバー(以下、ALW)が、「ComposerInIsolation(隔離中の作曲家)」のタイトルで、SNS(facebooktwitter)を通じて、ピアノ演奏の動画を発信し続けている。

時代を代表する作曲家が自作を弾く映像は、大変貴重といえるだろう。ここでは、3月20日からの動画を順番に紹介していこう。

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3月20日 『オペラ座の怪人』より「オール・アイ・アスク・オブ・ユー(それだけが望み)」

3月20日は、『オペラ座の怪人』から「オール・アイ・アスク・オブ・ユー(それだけが望み)」。オリジナルはラウルとクリスティーヌの愛の二重唱、とてもロマンティックなメロディだ。

オリジナルは変ニ長調だが、ALWは、指の関節炎ゆえに、ハ長調で弾いているという。

3月21日 『オペラ座の怪人』より「ウィッシング・ユー・ワー・サムウェア・ヒアー・アゲイン(もう一度姿を現して)」

3月21日は、同じく『オペラ座の怪人』から「ウィッシング・ユー・ワー・サムウェア・ヒアー・アゲイン(もう一度姿を現して)」。ここでは『オペラ座の怪人』からもう1曲「プリマドンナ」が前奏として加えられている。

ALWは「音をミスしてゴメン。でも私は今週末(注:3月22日が誕生日)で72歳だから」という。

3月25日 『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』より「エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー(どんな夢でも)」

3月25日は、ロイド・ウェッバーの最初期のミュージカル『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』から「エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー(どんな夢でも)」。『ヨセフ~』は旧約聖書のヨセフの物語。

このミュージカルのなかでもっともポピュラーな「エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー」は、ALWが19歳のときに書いたという。
「HomeIsWhereTheMusicIs(うちは音楽のあるところ)」のハッシュタグが付けられ、ALWは「一緒に歌わない? 歌をビデオに撮って、送ってね。それらを見てみたい」と呼びかける。

3月28日 『エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー』の感想を

3月28日は、演奏はなく、まずスタジオで、送られてきた『エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー』の動画を見ての感想が述べられる。ALWは、寸評を交え、素晴らしい歌声を送ってくれた一人ひとりを褒めていく。

また、SNSでの質問にも応える。ALWがもっとも好きなミュージカルは、『ウエスト・サイド・ストーリー』と『マイ・フェア・レディ』(最近の作品では『ハミルトン』と『ディア・エヴァン・ハンセン』が好きだと言っている)。

自分にとってのヒーローは、リチャード・ロジャーズ(1902-1979)であり、彼こそが20世紀最高のメロディストという。なかでも彼の『南太平洋』の「魅惑の宵」「春よりも若く」「バリ・ハイ」の素晴らしさを述べる。
そして、自らの新作ミュージカル『シンデレラ』を10月にロンドンで公開したいと語る。

3月30日 視聴者の「エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー」を繋いで

3月30日は、視聴者から寄せられた「エニー・ドリーム・ウィル・ドゥー」の歌唱の動画が紹介される。ワン・フレーズを次から次へとつないでいく。子どもが多いが、みんな上手。

4月1日 「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」をオーケストラでリモート合奏

4月1日には、3月20日のALWがピアノで弾く「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」に合わせて、オーケストラのメンバーがそれぞれの動画でリモート合奏したものが披露される。

4月3日 ダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」変奏

4月3日は、ダフト・パンク(フランスのクラブ・ミュージックを代表する2人組)の「ゲット・ラッキー」をクラヴィノーヴァでさまざまに変奏。1つ目はハープシコードの音色で、2つ目はピアノ・コンチェルト風に、3つ目はクラブのサクソフォン風に、4つ目はストリングスでワルツ風に、5つ目はオルガンの音色で『オペラ座の怪人』風に。

4月5日 『ジーザス・クライスト・スーパースター』より「ホザンナ」

4月5日は、パーム・サンデー(エルサレム入城の日)ということで、初期の代表作『ジーザス・クライスト・スーパースター』から「ホザンナ」を演奏。ジーザスがエルサレムに入場するシーンで群衆によって歌われる曲である。ALWは、「これに合わせて歌って、そのビデオを送ってね」と呼びかける。

4月8日 新作『シンデレラ』の一部を披露

4月8日は、新作『シンデレラ』のうち、「バッド・シンデレラ」の一部をピアノで披露。

4月10日 視聴者から送られてきた「ホザンナ」大合唱

4月10日は、視聴者から送られてきた動画による「ホザンナ」。こちらは大人数の動画を重ねた大合唱に編集されている。別の投稿では、ALWが『ジーザス・クライスト・スーパースター』について語る。

4月12日 『キャッツ』より「メモリー」

4月12日は、『キャッツ』から名曲「メモリー」を演奏。

The Shows Must Go Onで、アンドルー・ロイド・ウェッバ―のミュージカル映像を無料配信

なお、The Shows Must Go Onは、4月3日19時(日本時間4月4日3時)から毎週末48時間限定でALWのミュージカルの無料配信を始めた。すでに『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』と『ジーザス・クライスト・スーパースター』を配信。

4月18日3時(日本時間)からは遂に「オペラ座の怪人」! 同作25周年を記念した2011年のロイヤル・アルバート・ホールでの舞台(ラミン・カリムルー、シエラ・ボッゲス、ほか)を見ることができる。

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山田治生
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山田治生 音楽評論家

1964年京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。1990年から音楽に関する執筆活動を行う。著書に、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人 -ある日本人指揮者の...

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