「(自作主題による)6つの変奏曲」——ベートーヴェン初の自作主題による変奏作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ベートーヴェン初の自作主題による変奏作品「(自作主題による)6つの変奏曲」
ベートーヴェンに弟子入りする生徒が絶えなかった1797年頃、伯爵令嬢アンナ・ルイーゼ・バルバラ(1780頃〜1813)という少女にピアノを教えていました。
彼女は1801年にプレスブルクでインノチェンス・デルバ・オデスカルキ侯爵(1778〜1831)と結婚している。1802年に作曲され、翌年に出版される重要作《自作主題による6つの変奏曲》作品34の被献呈者名はオデスカルキ侯爵夫人バルバラとなっている。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)58ページより
彼女はアマチュアながらも演奏技術が高かったそうです。この曲のほかにも、「ピアノ協奏曲第1番ハ長調」Op.15や「ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調」Op.7も彼女に献呈されています。ベートーヴェン自身が作った主題で書かれた変奏曲は、この作品が初めてです。落ち着きがあり、可愛らしい主題と、いろいろな性格の変奏をお楽しみください。
「(自作主題による)6つの変奏曲」Op.34
作曲年代:1802年(ベートーヴェン31歳頃)
出版:1803年4月
アンナ・ルイーゼ・オデスカルキに献呈
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