クリスマスウィークはピリオド楽器で

いよいよクリスマス本番。ヨーロッパではクリスマス4週間前の日曜日からアドベントが始まり（これは教会暦の始まりでもあります）、新年までお祝いが続きます。

詳しくは連載「おはようバッハ」の待降節や、クリスマス・オラトリオの記事をご覧ください！

日本のクリスマスムードは、やはり今週末が一番盛り上がりそうということで、今週はバッハ、ヘンデル、モーツァルトというバロックから古典の巨匠たちの作品を、ピリオド楽器（作品が作曲された当時の楽器）で演奏されるコンサート3つをピックアップしてみました。

クリスマス・イブの14時から東京文化会館で開かれるのは、今年が50回目！ となるチェンバロ奏者で指揮者の小林道夫氏による「バッハ：ゴルトベルク変奏曲」の全曲演奏会。

半世紀に渡って、同じ作品を、毎年末に演奏してきたコンサート。昨年の12月20日に行なわれた演奏会は「演奏会50回記念盤！ 小林道夫～J.S.バッハ：ゴルトベルク変奏曲（2枚組）」としてCD化されています。

バッハの代表作である晩年の大作を、チェンバロの音色でじっくりと鑑賞してみるのはいかがでしょうか。「不眠症の伯爵のために作曲された」なんていう話もある作品ですが、こんな素晴らしい音楽で、寝れるのかなぁ。

昨年のコンサートでアンコール演奏されたバッハのコラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」

同じくクリスマス・イブの開催ですが、ご安心ください！ こちらは18時からなので梯子できます。サントリーホールのクリスマスコンサート2021《バッハ・コレギウム・ジャパン　聖夜のメサイア》をご紹介します。

ヨーロッパのクリスマスシーズンの大定番、ヘンデルのオラトリオ《メサイア（救世主）》を、日本を代表するピリオド楽器団体「バッハ・コレギウム・ジャパン」の演奏で聴ける贅沢な一夜です。有料オンライン（ライブ＆リピート）配信もあるので、おうちで楽しめるのもGOOD!!

11月の特集「バトル」で掲載されたバッハVSヘンデルを体感する熱いクリスマス・イブも良いかもしれません。

最後はクリスマスとは関係ありませんが、12月26日（日）大阪・フェニーチェ堺にて、モーツァルトをフォルテピアノで楽しめるコンサート。第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位、川口成彦氏のフォルテピアノ・リサイタルシリーズ2021「Contemporaries～同時代人の肖像」の第3回《モーツァルト＆His Contemporaries》です。

有名な《トルコ行進曲》を含むモーツァルト作品を軸に、同時代の作曲家、そして指揮者／作曲家の杉山洋一氏によるフォルテピアノのための新作も演奏されます（本人による解説はこちら）。モーツァルトの弟子で、友人でもあったアントン・エーベルルのピアノ・ソナタが演奏されるのも珍しい！

日曜日なら東京から日帰りできる！ 残席わずかだそうですので、皆さまも早めにチェックを。