2020.10.12
おやすみベートーヴェン 第302夜【不滅の恋人との別れ】
歌曲《秘密(愛と真実)》——新聞社からの依頼曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
新聞社からの依頼曲 歌曲《秘密(愛と真実)》
1816年2月に『ウィーン・モード新聞』および『芸術・文芸・演劇雑誌』に掲載出版されたこの曲は、1815年暮れまでには書き上げられていたのだろう。イグナツ・カール・フォン・ヴェッセンベルク男爵という貴族の作詞で、モード新聞社の編集者ヨハン・シックの依頼によってベートーヴェンが作曲。
ト長調からホ短調への転調などがあるが、全体に静かに歌われる。歌詞大意は「枯れない花はどこにあるのだ、煌めきをやめない星はどこになるのだ。ミューズよ、その清らな口で告げよ、その花と星のあるところを」。
解説:平野昭
『ウィーン・モード新聞』および『芸術・文芸・演劇雑誌』は、当時のオーストリアのもっとも重要な文化雑誌の1つで、その編集者ヨハン・シックはシューベルトに歌曲《ます》の作曲を依頼したことでも知られています。
作品紹介
歌曲《秘密(愛と真実)》
作曲年代:1815/16年(ベートーヴェン45歳)
出版:1816年
おやすみベートーヴェン
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
2020.12.15
《大フーガ》(4手)変ロ長調——最高傑作の内容を余すところなく反映させたピアノ連...
2020.12.14
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第3、4楽章——重態のベートーヴェンが見舞い客の実...
2020.12.13
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第1、2楽章——弟ヨハン邸宅の美しい環境で書かれた...
2020.12.12
「弦楽四重奏第14番 嬰ハ短調」第5〜7楽章——カールの将来についてベートーヴェ...
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2024.10.06
礒絵里子が挑むブラームスとドヴォルザーク〜ソロから五重奏まで室内楽の魅力を堪能
2024.10.04
【速報】NHK交響楽団 定期公演2025-26シーズンのラインナップが発表
2024.10.04
井上道義、店村眞積が語る師・斎藤秀雄への複雑な想い
2024.10.04
3人のオペラ男子、カントキューブの魅力が詰まった昭和歌謡の世界
2024.10.04
【速報】東京交響楽団が25/26のシーズンラインナップ発表!
2024.10.04
ブラームスを知るための25のキーワード〜その17:合唱団指導者
2024.10.04
ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンのクラシック~文化が混じり合う辺境が面白...
2024.10.02
音楽が「起る」生活#1 新国立劇場開幕、エマール、読響&テツラフ、ギターと歌