2020.12.03
おやすみベートーヴェン 第354夜【最後の10年】
「6つのバガテル」——晩年様式で書かれた最後のピアノ曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
晩年様式で書かれた最後のピアノ曲「6つのバガテル」
平野 この曲が作曲されたのが1823年か24年で、これを書いた後はピアノ曲を手掛けず、弦楽四重奏しか書いていないのです。そしてこの曲集には弦楽四重奏曲のアイディアが詰まっているという見解もあります。いずれにしても、“晩年のベートーヴェンここにあり”という感じがしますね。
小山 ピアノという楽器の可能性をさらに探求しようとしているような気もします。この後ピアノ曲は書いていないけれど、もっと長生きしていたら何か新しいことをしてくれていたかも……と。
——小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ 限りなき創造の高みへ』(音楽之友社)114ページより
「第九」と弦楽四重奏曲に挟まれて、少し影の薄い存在ですが、ベートーヴェンが最後に書いた重要なピアノ小曲集です。
小曲集とはいえ、緩急のコントラストや調性関係などからみて、全曲通して演奏されることを想定しているのでは、と平野さんは語っています。
作品紹介
「6つのバガテル」op.126
作曲年代:1823〜24年(ベートーヴェン53〜54歳)
おやすみベートーヴェン
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