連載
2026.11.02
月刊誌『音楽の友』連動企画 フレッシュ・アーティスト・ファイル 【Q&A】

ツォトネ・ゼジニゼさん(ピアノ・作曲)――ジョージア出身、自由に音楽を奏でる17歳!

月刊誌『音楽の友』で、若手演奏家を紹介している連載「フレッシュ・アーティスト・ファイル」。当記事は雑誌のインタビューとはひと味ちがう切り口で、20の質問を通して演奏家たちの素顔を紹介していきます。第22回は、ジョージア出身のピアニストで作曲家のツォトネ・ゼジニゼさんにご登場いただきました。

音楽の友 編集部
音楽の友 編集部 月刊誌

1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

祖母にエリソ・ヴィルサラーゼの従姉妹ニノ・マムラツを持つ、ジョージア・トビリシ出身の17歳。ピアニストとして幼少期から数多くの音楽祭やオーケストラに客演、作曲家としてはリサイタルでピアノ作品を自作自演するほか、これまでに「交響曲第1番」(初演:フランソワ・ルルー指揮、カメラータ・ザルツブルク)、「同第2番(交響詩)」(初演:ラハフ・シャニ指揮、ロッテルダム・フィル)などを発表している。この秋来日するのをきっかけに20の質問に答えていただいた。

©Marion-Schönenberger
ツォトネ・ゼジニゼ Tsotne Zedginidze
2009年ジョージア生まれ。幼少期から演奏・作曲の双方で驚異的な才能を発揮し、ダニエル・バレンボイムから「21世紀のモーツァルト」と絶賛される。サイモン・ラトルから3回の指名を受け14歳の時にはシェーンベルク[
ピアノ協奏曲]
で共演。NHK Eテレのドキュメンタリー番組『無調の輝き 現代音楽に魅せられた少年』で日本でも大反響を呼んだ。2025年1月、ザルツブルグ・モーツァルト音楽祭で委嘱作品「交響曲第1番」を世界初演。
2026年5月には、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者ラハフ・シャニの退任祝典コンサートにおいて、異例となる作曲の委嘱を受け、自身が手がけた「交響詩」の世界初演を成功させる。7月にはNHK交響楽団とラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」で共演、8月には世界最高峰のヴェルビエ音楽祭に4回目となる招待を受け出演するなど、17歳にして世界のトップソリスト・作曲家としての地位を不動のものにしている。
現在ベルリン バレンボイム アカデミーの支援を受けハンス・アイスラー音楽大学で、ピアノをアンドラーシュ・シフに、また作曲をイェルク・ヴィトマンに師事している。

創造性を刺激してくれる故郷

Q1 小さいころの夢は?
一つの大きな夢があったというよりも、いろいろなことに興味関心が向いていました。でも、幼いころからずっと変わらなかったのは、なによりも音楽を聴くことが大好きだったということです。

Q2 出身地・ジョージアのトビリシはどんな場所?
とても美しい街です。コーカサス地方を代表する、活気に満ちた首都の一つでもあります。その独特のエネルギーや個性は、いまも僕の創造性を刺激してくれています。

Q3 自身をどんな性格だと思う?
自分で説明するのは難しいですね(笑)。性格は、自分自身よりも、外から見ている人のほうがよくわかるものだと思います。

Q4 好きな食べ物は?
故郷やその周辺地域の伝統料理がとても好きです。でも同時に、世界中のさまざまな食文化にも興味があります。

Q5 苦手な食べ物は?
嫌いなものはほとんどありません。あえて一つ挙げるなら、抹茶でしょうか。まだなかなかその味になじめません……。

Q6 本番前の勝負メシはある?
いいえ、まったくありません。本番前は演奏のことで頭がいっぱいなので、食事のことは考えもしません。

5歳でピアノを始めたきっかけはオペラ。「2~3歳のころからオペラを聴くのが大好きで、そうしているうちにピアノを弾き始めて、僕が音楽にとても興味を持っているのを見て祖母がピアノを教えてくれました」

世界中で自作曲を演奏したい

Q7 好きな作曲家は?
大好きで、大切に思っている偉大な作曲家はたくさんいるのですが、まず思い浮かぶのはモーツァルトです。

Q8 今後、挑戦してみたい作品は?
自分の新しい作品や即興演奏を、世界中のさまざまな場所で、機会があればぜひ演奏したいと思っています。日本でも、ぜひたくさん演奏したいですね。

Q9 憧れのアーティストや心に残る演奏はある?
一人だけを挙げることは難しいのですが、指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリン・フィル、ウィーン・フィル、フィルハーモニア管と残した録音には、昔から特別な思い入れがあります。

Q10 練習前のルーティンはある?
とくにはありません。僕の練習方法は、もっと自由で、その時々で自然に変わっていきます。

Q11 練習が辛いと思うことはある?
もちろんあります。どんな音楽家にも言えることだと思いますが、決まったやりかたで練習することが負担に感じられる時期もありました。でも、どんなに大変なときでも、即興という自由さだけは、決して飽きることがありませんでした(いつも新鮮に感じられました)。

Q12 自身の世界観を変えた言葉はある?
たった一つの言葉が、自分の考えかたを根本から変えたことはありません。ただ、一つの文学作品を深く読み、その世界に入り込むことには、自分のものの見方を変える力があると思います。

指揮者サイモン・ラトルとのツーショット。ラトルとはこれまでに3回指名を受け、そのうち2度バイエルン放送交響楽団共演している
幼少期からその才能に注目され、サイモン・ラトル指揮バイエルン放送交響楽団をはじめ、世界各地で演奏を行っている

好きな映画は『ざくろの色』

Q13 もし一日休みがあったら、どのように過ごしたい?
静かに過ごしたいです。いろいろな音楽をじっくり聴いて、考えたり、思いを巡らせたりして過ごすと思います。
Q14 好きな本はある?
一冊を選ぶのは難しいですね……。古典文学全般が大好きで、そのほとんどの作品に深く心を動かされます。

Q15 最近、心を動かされた作品や舞台はある?
美術作品では最近はとくに思い当たりませんが、舞台での演奏には、心を動かされたものがあります。たとえば昨年、ヴェルビエ音楽祭に行ったのですが、そこで聴いたコンサートは一つひとつが本当に豊かで、特別で、忘れられない体験となりました。

Q16 好きな映画は?
これといって「いちばん好きな映画」を決めているわけではありません。でも、セルゲイ・パラジャーノフ監督の『ざくろの色(サヤト・ノヴァ)』(※1969年に公開された、18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯を描いた作品)は、いまでも特別に心に残っています。

Q17 趣味は?
音楽を聴くこと、本をじっくり読むこと、そして芸術から科学まで、さまざまな分野を探究することです。

Q18 会ってみたい作曲家は?
現代の作曲家なら、誰もがそれぞれにとても興味深い考えかたを持っているので、できれば全員に会ってみたいです! 過去の偉大な作曲家たちについては、実際に会って、どんな人だったのか、どんなふうに振る舞っていたのかを、この目で見てみたいです。

Q19 これまで音楽を続けてこられた原動力はなに?
音楽そのものです。

Q20 20年後、自分はどうなっていると思いますか?
音楽家として歩み続けていると思います。

11月のリサイタルでは、作品の半分が当日の即興になるという自作曲に加え、ショパンとラフマニノフがプログラムに組まれている ©Marion-Schönenberger
Information
ツォトネ・ゼジニゼ ピアノリサイタル 2026

日時・会場:①11月4日/19時・浜離宮朝日ホール②11月7日15時・川口リリア 山伸サステインホール(音楽ホール)③11月11日19時・愛媛県県民文化会館 サブホール

曲目:ツォトネ・ゼジニゼ「自作曲」、 ショパン「ロンド」、同「バラード第1番」、ラフマニノフ「絵画的練習曲集《音の絵》」op.39
問合せ:①コンサート・ドアーズチケットセンター 03-6851-5966②リリア・チケットセンター 048-254-9900③ 南海放送株式会社089-915-3838

月刊誌『音楽の友』Information

『音楽の友』2026年11月号(10月18日発売)の連載「フレッシュ・アーティスト・ファイル」では、ツォトネ・ゼジニゼさんのインタヴュー記事を掲載。ぜひ併せてご覧ください!

「音楽の友」2026年11月号記事詳細はこちら

 

音楽の友 編集部
音楽の友 編集部 月刊誌

1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ