ベートーヴェンはエモくてヤバい
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
「エモい」という言葉がすっかり定着しました。Emo(イーモ)というジャンルが80年代に存在しており、使ってる人は使ってる言葉、だったそうですが、一般に浸透したのはここ5年、やはり落合陽一さんが頻繁に使った影響でしょうか。私は、なんでもかんでも「ヤバい」で済ませていた世代なので、「エモい」を使いこなす? には少し時間がかかりました。
今週から始まった、編集部おすすめの公演情報をご紹介する新連載「今週どこ行く?」の第1回で、編集長・和田がベートーヴェン公演を取り上げていました。記事内で作品紹介のために、アーカイブ記事「おやすみベートーヴェン」をリンクしていたのを開いてみると、まぁエモエモのエモだったわけです。
366日間、編集部員Mと2人でベートーヴェンと向き合った日々……。「この曲の解説がない! ヤバい!」「ヤバい! この曲初めて聴いたけどすごくいいよ!」と、日々ベートーヴェンに一喜一憂。そんな日々を思い出し、エモい〜と、浸ってしまいました。
やはりこの時期になると、「第九」が聴きたくなりますよね。私の激エモポイントは第4楽章、有名な合唱の前。バスが「そのような音ではない!」と入った後に、ソリストと合唱が徐々に盛り上がっていく部分。歌詞がまたいいんです。
ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
自身の歓喜の声を合わせよ
そうだ、地球上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい
エモくありません!? ヤバくないですか!? なんて語彙力が低下してしまうくらい、熱く、心を打つ部分です。
歌ってみたくなった方は、テノール歌手の升島唯博さんによる発音解説「シェーネル? シェーナー? 現代ドイツ流の発音で「第九」を歌ってみよう!」を参照のこと。
YOASOBI、あいみょん、ベートーヴェンでエモい冬をお過ごしください(使い方間違ってる気がしてヤバい)。
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